あぁ、徒然なるままに

私の趣味や日々の出来事についてを、自分の独断と偏見による、やや倒錯した文章で徒然なるままに書き記すブログです。

ファミコンに命を預けて、月に行ってみないか?

北海道の夜風は冷たく、流れゆく雲と空の深さは、もう秋の気配。
いつの間にやら蝉の声から、鈴虫・コオロギ・キリギリスの大合唱へ。
夏も終わりですね。
私の季節が去って行く。なんちて。
 
・・・いやあぁぁ、もう夏も終わりっ!?
ついこないだ正月(以下省略)
 
もう完全にテンプレート化している季節のご挨拶はさておき。
 
どーも皆さん、こん〇〇わ。
鼻毛に白髪が生えてきた、ちょちょ山でございます。
白髪でも良いから、頭頂に生えてくれないかと切に願う、今日この頃。


さて、間に一回余計なネタを挟んでしまいましたが、
今回こそは「コンピューターと宇宙開発」です。
 
前々回、コンピューターの黎明期のことを書きましたが、
宇宙開発と言っても、そんなに時間は経っておりません。
 
ちょっとだけおさらいしますが。
 
1946年に、世界初のコンピューター「ENIAC」完成。
しかし、膨大な数の真空管とケーブルの束を繋げた、
プログラムという概念の無い「10進数」の計算機。
 
1949年に、プログラム内蔵型(後のノイマン型)コンピューター、
「EDSAC」完成。


以前の記事に書いたとおり、原子爆弾を作る為の膨大な計算は
まだコンピューターが出来る直前だった為に、全て手計算でしたが、
インプロージョン型原子爆弾の開発者である、変態数学者フォン・ノイマンが、
「やってらんねぇぜ!」と、戦後に理想的なコンピューターの基礎理論をぶち上げ、
ノイマン型コンピューター」の開発競争が始まりました。
 
そして時代は、アメリカと旧ソ連の冷戦時代に突入。
 
コンピューターの開発意図は、膨大な計算を自動化することでしたが、
それが可能になってからは、主に戦争(特に兵器)の用途に
多用されました。
 
先の世界大戦で、実用化されてしまった原子爆弾を手にした両国は、
互いを牽制する意味も含め、弾道ミサイルをしこたま作り、
原子爆弾を搭載したミサイルの弾道計算にも
コンピューターは大いに威力を発揮しました。
 
とは言え、今のコンピューター技術に比べれば、市販の関数電卓
毛の生えたような性能でしたが・・・
 
そして、そのミサイルの弾道計算は、ロケットの飛行の計算にも応用され、
これまたアメリカ・旧ソ連両国の宇宙開発競争が始まりました。
 
初の人工衛星、初の地球周回軌道投入、初の生物の宇宙飛行(サルやライカ犬)。
そして初の有人宇宙飛行は、旧ソ連。(1961年)
 
テレシコワ「私はカモメ」
研ナオコ 「カモメはカモメ」
 
これらの言葉は有名ですね。
 
この他にも、闇に葬られた失敗ミッション(しかも有人)もありましたが、
 
真相はいかに?ロシア当局に隠蔽された、
女性宇宙飛行士の最期の通信を記録した音声テープ
 
この頃のアメリカは、宇宙開発に関して
旧ソ連に一歩遅れをとっておりました。
 
何とかして挽回を図りたかった、当時のアメリカ大統領ジョン・F・ケネディは、
同じく1961年にアポロ計画をブチ上げ、
 
「10年以内に、月までの有人飛行を行なう」
 
と、ばさあっと大風呂敷を広げました。(大風呂敷なのか)
 
そしてアメリカは1969年、はっちゃきこいて何とか
アポロ11号で世界初月面着陸を果たし、
宇宙開発に面目を立てたワケではありますが、
この宇宙開発の裏で、コンピューターは進化を繰り返しておりました。
 
とは言え。
 
1964年当時、宇宙開発に使われていたIBMメインフレーム
「System/360」は、32ビットの大型汎用コンピューター。
 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/9e/360-91-panel.jpg/800px-360-91-panel.jpg

Wikipediaより)
 
サーバーよりも上のメインフレームで32ビット。
 
私が1993年に初めて買った中古のパソコンも32ビットだったので、
約30年後には、その性能が10万円台頭で中古で売られていたワケですから、
当時の技術の最先端は、推して知るべしって所です。
 
まぁ、時代が違えど、メインフレームとパソコンを比較するのは
いささかナンセンスではありますが、極論として。
 
で、これまた驚きなのが。
 
司令船に搭載されていた「アポロ誘導コンピューター」は、似非16ビット。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/79/Agc_view.jpg

Wikipediaより)
  
データ15ビット、パリティ(検算用)1ビットなんですよ。
しかも、記憶媒体が磁気コア。
 
破壊読出しですよ。
コピーと言う概念が無いんですよ。
 
私は磁気コアの実物を見たことがありません。
四半世紀以上前の専門学校時代当時に、
教科書を読んで吹き出しました。

https://i.gzn.jp/img/2019/05/06/ibm-magnetic-core-memory/01.jpg

 
「じ、磁気コア!?こんなん、今、どこで扱っとるね!?」
 
似非16ビットと言うことは、これまた極論ですが、
性能が劣るってことですよ。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/9a/Nintendo-Super-Famicom-Set-FL.png/1920px-Nintendo-Super-Famicom-Set-FL.png

 
 
下手すれば、記憶媒体の優劣も含め、
 
 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Nintendo-Famicom-Console-Set-FL.png/800px-Nintendo-Famicom-Console-Set-FL.png

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e0/PC-Engine-Console-Set.png/1920px-PC-Engine-Console-Set.png



いや、PCエンジンは、一度に8ビットしか処理できない代わりに、
クロックを上げて16ビットマシンに迫る処理させると言う
ドーピングのようなテクニックを使っておりましたが。
さすがNEC、発想が違うぜ!
 
・・・話を戻しまして。
 
早い話、当時の最先端の技術としては、
後の時代に比べて、
 
ファミコンに命預けて、月まで行ってみないか?」
 
ってレベルだったってことです。
 
こんな話聞いたら、今なら誰も行きやしませんて。
 
甥っ子達が小さいときに、この例え話をしたら
爆笑してましたが。
 
しかもですよ。
 
月と地球の間は、約38万km。
その距離を片道3日かけて、行って降りて帰ってくるワケですから、
時速に換算すると、1万555km/h。
マッハ8.5です。
 
そこに、更に太陽の周りを公転している地球も
1日に257万3900kmも移動するので、
その移動先も考慮に入れなければなりません。
正面に見える地球に一直線に飛んでも、
辿り着く3日後には、772.2万キロも
横に避けられているのです。
 
軌道計算は重要ですよ。
 
更に、大気圏再突入。
 
大気は、地表からおよそ120kmくらいまでにしか存在しない
薄い膜のようなものですから、
地球の大きさから例えて言うと、
1.28mのビーチボールの表面に付いた、
わずか1.2cmの厚みの綿アメ目がけて
突撃するようなモンです。
 
しかも、突入角度が浅ければ、
水面に石をに投げてを水切りするように
薄い大気の層に弾かれて、アポロの司令船は
宇宙に彼方へ飛んで行ってしまいますし、
突入角度が深過ぎれば、あっという間に
地表に叩きつけられてしまいます。
 
もし、仮に地表に垂直にルートを取ってしまったら、
マッハ8.5だと、秒速2,890mとして、
大気圏再突入後、約35秒で地面に激突、
ソユーズ1号のように、一巻の終わりです。
 
如何に難しい計算か、お解りになるでしょうか。
 
更に追い打ちを掛けるように、
大気中ではマッハ3で、空気の圧縮による
熱の壁」が立ちはだかります。
 
熱の壁を潜り抜けられない状況で、
パラシュートは広げられません。
 
そこをマッハ8.5で突入するのですから、
姿勢制御と軌道修正の燃料を残しつつ、
事前に逆噴射して減速もしなければなりませんし、
更にエアブレーキの意味も含め、アポロの司令船が
単体でどれほどの衝撃と熱に耐えられるか。
 
これを事前に計算して設計されていなければ
大気圏再突入で焼け死んでしまうと言う、
先の旧ソ連の闇に葬られた黒歴史や、
空中分解したスペースシャトル「コロンビア」の
二の舞になってしまいます。
 
怖いですね。
いつも開拓者たちは、死と隣り合わせなんです。
 
私も幼稚園児の頃の夢は「宇宙飛行士」でしたが、
勉強の時点で諦めました。(笑)
 
そして今は、しがないエンジニア崩れの経理に落ち着いておりますが、
過労死の可能性はあれど、事故で死ぬことはありません。
 
夢は、夢のままで。
 
宇宙(そら)に上るより、地に足のついた生き方のほうが、
長生き出来そうな気がします。


どんなに恐ろしい武器を持っても、
たくさんの可哀想なロケットを操っても、
土から離れては生きられないのよ!
(判る人だけ笑って下さい)
 
一文字換えるだけで、結構使えるなぁ・・・ジブリ作品。(意味不明)

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