あぁ、徒然なるままに

私の趣味や日々の出来事についてを、自分の独断と偏見による、やや倒錯した文章で徒然なるままに書き記すブログです。

絞りと感度とシャッタースピード

今回は、ちょいとカメラの初心者向けのお話♪


ミラーレスを含めて一眼カメラを扱っている人は、
必ず通らなければならない「設定の相関関係」があります。
その設定は3つ。

絞り

言ってしまえば、人の目で言う「瞳」です。
明るさに応じて、光の入る量を調節する部分ですね。

ここを調節する事で、光の入る量だけでなく、
被写界深度」のコントロールをします。

被写界深度」とは、大雑把に言えば「ピントの合う深さ」を指し、
いわゆる「ボケ」のコントロールですね。

ちょっと試してみましょうか。
「絞り」を開いて中心だけにピントを合わせ、前と後ろをボカしてみました。
この時の絞りの値(F値)は5.6。
イメージ 1

ではもう一方、今度は絞りを絞ってみました。
F値は16。
イメージ 2

奥から手前まで、ピントが合っているように見えますね。
特に、遠くのものと近くのものとの遠近感(パースペクティブ)が無くなる事を
「圧縮効果」と言います。

絞りは、こう言う表現の違いを生み出します。

コンパクトデジタルカメラコンデジ)を使っている人では、余りこの「絞り」は
意識していない人が殆どではないかと思います。
コンデジの場合、大体が「ブレずに撮れる」事を前提とする為、
この設定は殆どがオートマチックですからね。



これは、光を感じる素子(またはフィルム)の感度を指します。
人の目で言う、「網膜」ですね。

この数字が大きいほど、少ない光の量(いわゆる暗い所)でも撮影できます。
但し、余り感度を上げすぎると、感光素子の一つ一つが頑張りすぎて、
色が疎らな「ノイズ」となります。

ISO感度が低くても撮れる日中の場合の写真。
この時の感度は200。
イメージ 3

一方、夜に撮った写真。
ブレなくする為に、ISO感度は2500。
イメージ 4

この写真だと少々判り辛いですが、写真上部の壁の部分には、
高感度特有のノイズが混じっています。

最近のカメラは、高感度でもノイズが載りにくくなっていますが、
低い感度で撮った方が、綺麗さは段違いです。
その代わり、暗いとシャッタースピードが落ちるので、明るい場所か否かによって
三脚等の「ブレ防止対策」は必須になります。



これは言わずと知れた、シャッターの切れる速度ですね。
人の目で言うと、「瞬きの速さ」でしょうか?
これをコントロールすると、「動くものが流れて写る」意図的なブレから、
全く反対に「数千分の一秒の世界」まで、時を止めて撮る事も出来ます。

その代わり、光の入ってくる量が変わるので、絞りやISO感度が適切でないと
真っ暗に写ったり、白飛びしたりします。

シャッタースピードを早くした場合。
この時のシャッタースピードは1/1000秒。

イメージ 5

一方で、今度は4秒間の長時間露光。
イメージ 6

長時間になると、水の流れが「のっぺり」となります。
もちろんこの時は、ブレ防止の為に三脚を使いました。

何の設定を優先にするかで、それぞれ効果が変わって来ますが、
ちょっとまとめてみましょう。

**********

①絞り
開放にする・・・光が多く入るシャッターが早くなるブレが無くなる
被写界深度が浅くなるピントの合っている部分の前後がボケる
絞る・・・光が少なく入るシャッターが遅くなるブレ易くなる
被写界深度が深くなる全体的にピントが合う

高くする・・・少ない光でも写るシャッターが早くなるブレが無くなる
ノイズが多く載るザラッと写る
低くする・・・少ない光では写り辛いシャッターが遅くなるブレ易くなる
ノイズが少ない綺麗に写る

早くする・・・僅かな一瞬を写せる時間が止まったようになる
光の入る時間が短い暗い場所だと、黒潰れする
遅くする・・・動く被写体はブレる躍動感が出る
光の入る時間が長い明るい場所だと、白飛びする

**********

大体こんな感じでしょうか。
最近のデジタルカメラは、オートの設定だと、この辺りの設定を全部カメラが自動的に
コントロールしてしまうので、殆ど設定いらずです。

ただ、これだと「撮れる」だけになってしまうので、

「前・後ろのボケ味を出して、被写体を引き立たせたい」
「わざとブレを入れて、躍動感を出したい」
「ブレずに、水の流れを幻想的にしたい」

等々、「凝った表現」をしたい時には、どうしても設定を手動にせざるを得ません。


しかもこれらの設定は、ある程度の範囲から大きく越えると、それぞれが

「あちらを立てれば、こちらが立たず」

と言う、いわゆる「ジャンケン状態」にもなります。

その範囲とは、こんな感じです。

絞り・・・
F11辺りから如実に解像度が下がる(回折現象)
ISO感度・・・800以上になるとノイズが目立つ
シャッタースピード・・・1/60秒より遅くなると手ブレが起きる

かと言って、光の状況を判断して設定を手早くコントロールするのは、
熟練しないと非常に難しいです。



そこで、これは私の個人での設定ですが、
カメラは「絞り優先モード」にして、

「絞りを手動、ISO感度を固定、シャッタースピードはカメラにお任せ」

と言うケースにしてしまいます。


この設定を選ぶ根拠は、

「日中で明るいなら、ISO感度は低くしてOK」
「低いISO感度でも、シャッター速度は手ブレしない範囲に充分収まる」
「後は被写体の前後をボカしたいか否かで、絞りを操作」

と言う考えからです。

暗くなってきて手ブレが大きくなるなら、三脚とレリーズを使ったりする等、
基本的にシャッター速度は手動でコントロールしません。
(夜景や星空等、「夜」をテーマに撮る時はまた別の話)

かと言って、三脚を常に持って歩けない状況も大いにあると思います。
そんな時に、どうしても手ブレを抑える必要がある場合は、
ISO感度を上げる」等で対処します。
先ずは撮ってしまう事が先決。
ノイズが気になるレベルなら、後からフォトショップの「ノイズ低減」処理をかまします。



フィルムカメラは、フィルム自体のISO感度が固定でしたから、全部撮り切って
違う感度のフィルムを装填するまで「感度を変更」することは出来ませんでした。
手軽にISO感度を変更できるのは、デジタルの恩恵とも言えます。

それによって再チャレンジも可能になり、熟練の玄人でなくても、
撮影表現の幅が大きく広がりました。

他に「露出補正」と「ホワイトバランス」の設定もありますが、これは「写す」事よりも
「画像の明るさ」と「色味」の問題なので、別の機会に譲るとして・・・

失敗を恐れず、まずは色々撮り試してみましょう♪

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