あぁ、徒然なるままに

私の趣味や日々の出来事についてを、自分の独断と偏見による、やや倒錯した文章で徒然なるままに書き記すブログです。

向かい来る足音

夏だ、TUBEだ、稲川淳二だ!

と言う訳で、怪談です。(笑)


普段私が余り経験し得ない不思議な現象。

見ないけれども、気配を感じる。
物音、又は声が聞こえる。

これらの現象で、昔に経験した話を、一つ。



今から17年前。

学校卒業と同時に、とある会社に就職しまして。
当時はまだパソコンの走り。
Windowsもまだ3.1で、MS-DOSが全盛。
その辺りをいじれる人が少なく、当時は私も結構重宝がられた存在で、
メンテナンスやアフターフォロー、技術職メインで仕事してました。
社内システムの開発にもちょっとだけ参加し、ショールームで皆で遅くまで残って
色々と作業をしていた時の事。

コツ、コツ、コツ、コツ。

ショームームは1階の奥にあるのですが、その1階の入り口からこちらに向かって
歩いてくる足音が一つ。
その足音はショールームの入り口前でピタッと止まり・・・
それっきり。

「・・・?」

会社は3階までありまして、最初は上の階の人が「もう帰るから」と
知らせに降りて来たのかと思ったのですが、そのままこちらに来るでもなく、
かと言って、去って行くでもなく。

ピッタリ足音が途絶えたまま、足元の主の姿はどこにも見当たりません。

その場にいた人達全員が互いに目を合わせ、

「・・・今、誰か来ましたよね?」
「確かに足音聞こえましたよね?」

そう言い合っている所に、先輩がポツリと。

「たまにあるよ、こう言う事。」
「だから俺、ここで泊りの仕事したくないんだよね・・・」

・・・その先輩は、過去に何度か経験しているようで。


また別の日にも。

当時、社内の営業全員にノートPCが用意され、ノベルのNetWareでLANを組み、
配線は10BASE-2のバス型ネットワーク。
その配線をすべく休日出勤し、また皆で作業をしていた時の事。

コツ、コツ、コツ、コツ。

また足音が聞こえ、ふと顔を上げると、その足音の方向には誰もいません。
ぐるりと見渡すと、今日出勤している決まった顔ぶれだけ。

「・・・聞こえました?」
「・・・うん・・・」

その時は3階で作業をしていまして、自分達以外に誰か出社したのなら、
玄関口の戸の音なり、階段を登る足音なりがするはずなのですが・・・
いきなり、こちらに向かって歩いてくる足音が数歩分。

社内で2~3度、そんな「突然現れる足音」を聞いてます。


私はその後、別の拠点へ転勤になり、会社も数年後に自社ビルを建て、
殆どの人がそちらに移ってしまい、噂も聞かなくなりましたが。


じゃあ元いた場所は、何か曰く付きでも?


場所をお教えしてしまいましょう。

札幌は東区、テイセンホール近くの卸売団地の一角。
「テイセン」は、「帝国繊維」の略。
聞いた話ですが、あの辺り一帯は昔、紡績工場があったそうで、
あぁ、野麦峠」のような事も沢山あったとか。


その後私も転職してしまい、事の真意を確かめる気もありませんが、
建物自体ではなく、地域一体に何かあったのかも・・・

この記事を書いた後日談ですが。
あの辺り一帯、再開発で住宅街にする構想が持ち上がっているそうで。

・・・おいおい、大丈夫か!?(笑)