夏だ!
カブトムシだ!
稲川淳二だ!
・・・うん、語呂が合わないな。(爆)
と言うわけで、怪談です。
今回も特段怖い話ではないのですが。
以前、私の母がヘンに霊感が強く、こういった話に事欠かないと言うことは書きました。
そんな母のエピソードからひとつ。
実家では、とあるスーパーの宅配サービスを利用しておりまして。
定期的に、配達のお兄さんが商品を届けに来てくれるのですが。
配「毎度様です~。」
母が玄関を開け、荷物を入れてもらっている時のこと。
母は、その配達のお兄さんの肩越しに、女性の影が見えたんだそうで。
母「あら、あなた。」
配「はい?」
母「長身でちょっと綺麗な、長い黒髪の女の人を知ってない?」
配達のお兄さんはサッと顔色が変わり、
母はそのまま話を続けます。
母「・・・その女の人と今、お付き合いしているでしょ。」
配「・・・・・・はい。」
母「その女の人、どうも普通の感じがしないんだけど・・・何だか訳有りの身の上じゃない?」
配「・・・その通りです。」
聞けば何でもその女性、バツ一の子持ちなんだそうで。
母「バツ一子持ちが悪いワケじゃないけれど、どうも今のままじゃあ、あなたに良くないわよ。」
配「・・・そうなんですか?・・・」
その配達のお兄さんは、その女性のところに結構頻繁に訪れているとの話でしたが、
何故それが良くないかと言えば。
母「今のままだと近い将来、絶対モメてドロドロの修羅場になるわよ。」
母はその時、確信してそう告げると、お兄さんは不安そうに考え込みながら帰りました。
数日経ったある日、玄関の呼び鈴を鳴らす音が。
ピーンポーン。
室内からモニターで見てみると、先日の配達のお兄さん。
その日は配達日ではなかったのですが。
配「・・・こんにちは。」
母「あら、今日はどうしたの。」
配「・・・実は相談したいことがありまして。」
配達のお兄さんの話を聞いてみると、先に話したバツ一子持ちの女性は、
離婚はしているものの、離婚したはずの男性とまだ関係が中途半端に続いているんだそうで。
母「やっぱりねぇ。
その女の人と一緒になるんだったら、その中途半端な関係をキッパリ止めさせるか、
あなたがお付き合いを止めるかしないと、絶対泥沼になるわよ。
でも、今の話を聞くなら、私は絶対後者を薦めるわ。
別れた男と半端に関係が続いているのは、女に未練があるからで、
そこにあなたが割って入るべきじゃない。
そう簡単に女の未練が断ち切れることは無いから、
今のままなら絶対、あなたの為にならないわよ。」
そこまでの話を聞いて、そのお兄さんは半ば諦めの表情で帰って行ったそうですが。
その後も、そのお兄さんが配達に来る度に、
母にはまだそのお兄さんの肩越しに女性の影が見え隠れするので、
母「・・・まだ会ってるんでしょ。」
配「・・・はい・・・」
そのお兄さんがその後、バツ一子持ちの女性との交際を諦めたかは定かではありませんが、
そう言った「人の気」と言うものが見えてしまう体質の母は、
たまにこんな人生相談まで受けてしまっています。
私もこの歳になってくると大体、初対面でも相手がどういう人かは雰囲気で判りますが、
相手の肩越しに、さらに向こうの人の容姿や抱えている問題まで言い当てることなんて出来ません。
母曰く、
「人生相談なんてものは心霊でも何でもなく、大体が誘導尋問。
だけど、たまに『見えてしまう』ことがあるのよ。」
とのこと。
宜保愛子とは行かないまでも。
稀にこう言った能力を持ち合わせている人はいるのかも知れません。