あぁ、徒然なるままに

私の趣味や日々の出来事についてを、自分の独断と偏見による、やや倒錯した文章で徒然なるままに書き記すブログです。

通信復旧の基本

これは、過去に私が実際に経験した事ですが。


私は以前、とある企業のデータの共有サーバとネットワークの構築をした事がありまして。

その後、その会社の基幹業務である、別の業者さんのクレジットカードのオンライン決済システムと
ネットワークを統合する事になりました。

で、その異なる2つのネットワークを一つにすべく、その基幹システムを構築した業者さんと
色々打ち合わせまして。
向こうの業者さんのネットワーク設定に合わせる格好で、物理配線もお任せする事に。

結果、移行は順調。
こちらの組んだサーバも問題無く見えて、向こうの基幹システムも平行稼動。
こちら側での設定できる事は、全部完了しました。


その後、基幹システムの接続台数を増やすべく、向こうの業者さんが物理配線をしていたんですが、

「こっちの島(机のグループ)が見えない」
「繋がらない」
pingが通らない」
「ハブに電源入ってるか?」
「断線してないか?」

とか、何回も繋ぎ直しをやってる訳ですよ。

私はその作業に関わっていないので、素知らぬ顔で別作業をしていましたが、
いい加減、業者さんも小一時間も同じ事をやっているので、一言「助言」をしてあげました。

「根っこのハブの電源を入れ直してみたらどうですか?」

すると、向こうの技術者の人は、

「そんなんで直りますかね?」

こう言って来たんですよ。

私は内心ほくそ笑みながら、

「じゃあ、試してみましょうか♪」

と、サーバ傍のハブの所へ。

ハブのコンセントを抜き、一呼吸置いてから再度コンセントに差込み。

途端に、向こうのトラぶってた島から「繋がりました~!」(笑)
だから言ったじゃないか♪ザマミロ♪


これには根拠がありまして。

最近のハブは「スイッチングハブ」でして、トラフィック量を抑えて通信を効率化すべく、
各ポート毎に、通信する先のMACアドレスを記憶しています。
そして、データのパケットに記録されている情報を元に、真っ直ぐパケットを送れるようになる、と。

昔はそんな機能がありませんでしたから、とりあえず一斉送信して、応答した所にデータを送る、
と言う事をやってたんですよ。
例えるなら、「誰が住んでるか解らない集合団地」に「宅急便を届けに一軒一軒全部回る」みたいなモノ。
それじゃ効率悪すぎますし、データが増えたらどうしようもなくなります。

そこで、効率良く相手先にデータを届けられるように、スイッチングハブは「アドレスを記憶」する訳ですね。

それを、何度も何度もケーブルを繋ぎ直しするんですもん。
ハブも困りますよ。
「あれ?ここのポートは、アドレス○○番が使うんじゃないの?」って。

言ってみれば、「住所変更の手続き無しで、地域総ぐるみで引越ししまくる」ようなモノ。
宅急便も、荷物を届けられなくなりますよね。
それと同じです。

その間違った住所(アドレス)を一度リセットしてあげれば、後は自動的に登録され、通信は復旧します。
ネットワークをかじった者なら、通信の不具合時に「電源リセット」は「基本中の基本」です。

それを。
わざわざ旭川くんだりから何人もチームでやって来ているプロの業者が、
地域ローカルの単なる一技術者の言葉一つに耳を貸さず、いつまでも間違った行動をしてるんですから。

しかもその業者さんは「ドメイン」を組まず、拠点間通信も全部「ワークグループ」でやっていたのも、
ある意味、驚愕の事実でしたが・・・
ま、それは別の話として。


「大きなシステムを組んでいるから、技術力がある」のではなく、
「いかに多くの成功と失敗を経験しているか」

・・・技術屋って、これに尽きると思います。