あぁ、徒然なるままに

私の趣味や日々の出来事についてを、自分の独断と偏見による、やや倒錯した文章で徒然なるままに書き記すブログです。

光の絶対量

たま~にカミさんと外食をしたりして、
気に入ったお店をブログ等で紹介すべく、
店内の写真を撮らせてもらったりするのですが。

そのお店の店主さん達に、よく聞かれる事があります。

「メニュー用に、料理の写真を撮りたいんですが、
 どうしたらうまく撮れますかね?」

聞くと、暗く写ってしまったり、ブレたりするそうで。

うみゅ、確かに。
そりゃあ難しいです。

では今回は、何故難しいか、と言う所から入って行きましょうか。

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以前、絞りと感度とシャッタースピードでも書きましたが、
光の量によって、シャッタースピードが変わります。

薄暗く、光の量が少ない所で、光を一定量取り込もうとすると
シャッタースピードが遅くなるので、ブレが生じてしまう訳ですね。

逆に、ブレを無くす為にシャッタースピードを早くすると、
光が足りない為に、薄暗く写ってしまう訳です。

コンデジ等のオートモードで撮ろうとすると、その辺りの設定は無いので、
どちらかの「失敗する方法」に転んでしまう訳です。


ここで忘れてはいけないのが、「光の絶対量」

晴れの日の屋外で撮るなら話は別ですが、光の量が充分な
「料理を屋外で撮る」なんて事は、ピクニックくらいしかありません。(笑)
料理は大体が屋内ですよね。

実は、この屋内の明るさが曲者でして。
日中の屋外を10とすると、屋内は5~6くらいしかないでしょう。
人の目は薄暗い所でも、徐々に慣れて明るく見えて来ますが、
一方カメラには「慣れ」と言うものは無く、
「現時点で、光の量はいくらあるのか(光の絶対量)」だけを見ます。
人間の慣れた目には明るく見える屋内ですが、実は意外と暗いのです。

では、少ない光の環境で、マトモに写真を撮るには、どうしたら良いでしょう?


①光を多くする(ストロボを使う)

光の量が少ない(暗い)なら、明るくしましょう。
と言う事で、ストロボを焚いてみます。

内蔵ストロボを使うと、シャッタースピードは1/60秒固定になりますが、
これで手ブレは無くなります。

しかし。

これだと正面から光が当たるので、被写体の真後ろに影が映り、
ただ「撮れるだけ」になってしまいます。
記録写真ならともかく、雰囲気と言うものがありません。

「じゃあ内蔵のストロボじゃなく、室内をもっと明るくすればいい」
と思うでしょうが、家庭の蛍光灯でも、なかなかお日様には敵いません。

この「影」と「光の量」の問題。
写真屋さんに記念写真を撮ってもらった人も多いと思いますが、
ちょっと思い出してみて下さい。

複数の方向から、アンブレラ(傘)を使って
光を当てて撮っていたハズです。

これは正面ではなく、複数の斜め方向からの光を当てる事と、
アンブレラを使う事でストレートな光ではなく、ソフトな光にする事で
影を消す意味も持っているのです。

しかもソフトとは言え、人の目にはかなり強い光ですが、
それだけ屋内は暗くて、撮り辛いと言う事です。

そんな強いストロボとアンブレラは、職業写真家の方くらいしか
用意できないと思います。
なので、屋内のストロボ撮影は、余りオススメ出来ません。

では、どうしたら良いでしょう?


②三脚を使う(ストロボを使わない)

光の量が少ないので、シャッタースピードはもちろん遅くなりますが、
手持ちではブレてしまうので、三脚でブレを無くしましょう。
レリーズやリモコンスイッチがあるなら尚良し、
無ければセルフタイマーで撮るのも手です。

一眼レフのデジタルカメラは、内部のプリズムミラーが「カシャッ」と動く時の
ミラーショック」でブレる時があるので、「露出ディレイモード」を設定します。
コンデジやミラーレス一眼は、文字通りミラーが無いので、
余りこの辺りを気にする必要はありません。

屋内の暗さをフォローする為、出来るだけ明るい窓側で撮るのがベター。
影をコントロールしたいのなら、レフ板を使って反射光を当てます。
レフ板代わりに、大きめの画用紙やコピー用紙を使うのが、一番安上がりです。

しかし。
三脚だって、いつでも用意出来るとは限りません。

では、ストロボを使わず、三脚もレリーズも無く、
手持ちのカメラだけでブレずに撮るには、どうしたら良いでしょう?


ISO感度を上げる

ここで初めて、ISO感度を上げます。

屋内なら、800~1000以上にすると手ブレが無くなると思いますが、
窓から入る光の有無、蛍光灯の明かりの強さ等で大きく左右されます。
モニターで、シャッタースピードが1/60よりも早くなっているかを目安に
感度を上げましょう。
手持ちでも脇を締めて撮れば、1/30秒でも根性で撮れます。(笑)

「面倒だから、最初からISO感度を3200とかに上げちゃえば良いぢゃん」

と思う人もいるでしょうが、それはそれで正解です。
確実に撮れますからね。
しかし、いきなり最大感度にしてしまうのは、いかがなものかと。

何故、最初からの大幅な増感を躊躇うか。
ISO感度が低い方が画像にノイズが載らず、圧倒的に綺麗だからです。

新しく、且つ高級なカメラ程、撮影時のノイズ低減機能が優れていますが、
誰しもが高級カメラを持っているとは限りません。
古くて安いカメラほど、増感時のノイズは如実に画像に載ります。

最近ならフォトショップで簡単にノイズを消せますが、
ノイズを消す事ばかりに集中してしまうと鮮明さとリアルさが失われ、
画像がのっぺり・ぼんやり・ツルツルになります。
人の顔が、あたかも不自然なマネキンのように。(本当)


それならば、ちょっと手間をかけてでも、低いISO感度
「最初から綺麗に撮ってしまった方が良いや」
となりますよね。


限られた手持ちの機材で、いかにして綺麗に写真を撮るか。

しかも、限られた光の量で撮るとなると、ここまで色々と考える必要があります。



「そんなに沢山の事を、いっぺんに考えられない!」
「一眼カメラは難しい!」

と思う人も多いと思いますが、コンデジでも一眼でも、フィルムでもデジタルでも、
全部基本は同じです。


近年はテクノロジーが進歩したので、その基本をすっ飛ばして、
機械任せでも結構綺麗に撮れるようになっただけの話で、
その機械任せでも上手く撮れないケースは、必ず出て来ます。

そんな時の判断基準として、上記の項目を知識・経験として体得していれば、
失敗はかなり少なくなるハズです。


じゃあ、どうやって体得するかと言いますと。

沢山失敗して下さい。(笑)
失敗しないと、成功が解りません。(これホント)

いっぺんに得ようとするのではなく、一つの設定を色々変えてみて、
その特徴が解ってきたら次は別の設定を、と言うように、
失敗と成功を重ねて、ステップアップして行くのです。
楽器の演奏や車の運転のように、熟練していく為には、
失敗は必要不可欠です。


・・・今でも私、失敗ばかりしています。(笑)

今回偉そうに色々と書き連ねましたが、
実は自分の為の「備忘」でもあるのです。(自爆)



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