あぁ、徒然なるままに

私の趣味や日々の出来事についてを、自分の独断と偏見による、やや倒錯した文章で徒然なるままに書き記すブログです。

与信枠の考え方について

職場で、営業担当から「与信枠」について聞かれました。
ま、ちょっと不安のある取引先に対して、
「どこまで売って良いよ」と言う限度額の事ですね。


早い話、「売掛金と買掛金を相殺する事を前提」で、
「買掛金が200万円あって、与信枠が100万円だった場合、
 総額300万円まで物が売れるんじゃないか」との事。

・・・そう考えるのも解るんですけどね。

危機管理の観点から、明らかに前提が違います。


売上(売掛金)と仕入(買掛金)の両方がある場合、
相殺した後の残額が入金や支払となりますが、
与信枠の額はその 「相殺を前提としたものではなく」 、
あくまで 「売上の上限」 と考えます。
「相殺しても、更にはみ出して良い額」 ではありません。

よって、「与信枠が100万」の場合、

× 相殺出来る買掛金 200万 + 売掛金の与信枠 100万 = 300万まで売れる
○ 売上総額が最大 100万円

となります。

売掛金が貸倒等で 「回収不能」 になった時、
買掛金と相殺する事で貸倒を防ぐ事は出来ますが、
買掛金は 「日々変化するもので不安定」 であり、
「常に用意されているもの」 ではありません。

万一の時の 「保険」「ほんの一部分」 として考えるべきです。

-------------

相殺を、車の保険に例えてみましょう。

「相殺可能な買掛金」 → 「車の保険」、
「与信枠の額」 → 「車の修理代」と考えてみて下さい。

仮に200万出る「保険」に入っているとして、

「保険にも入ってるから、修理代300万まで車を壊してもOK」

と、自腹100万を覚悟で、わざと危険な運転をする人はいませんよね?

その保険も、

・保険期間が過ぎていた
・保険料未納で、契約解除されていた
・保険の対象外の事故だった

と、有効でない場合もありますし、

・出る保険金が、実は非常にショボかった
・保険金を大幅に上回る事故をした
・余りに頻繁に壊しすぎて、保険屋に断られた

なんて場合には、結局は自腹で更に大損をする事になります。
増してや、そもそもその保険が、

・その時々で、出る保険金の額が変わりまくる保険

だったら、誰も加入しないと思います。(笑)

自腹の修理や、保険を使わなくても良いような安全運転をするのが一番。
与信の考え方の根拠も、これと同じです。

-------------

話を 「相殺」 に戻します。
「お金が入ってこない」 時に 「損をせずに済む」 事にするのが大前提ですから、
リスクを最小限に留める為にも、

「与信上限枠」 は 「損をしてもOKな額」 ではない

と考えなければなりません。
「流動的で不安定」 な 「相殺」 をアテには出来ないのです。

ケースや取引先にもよりますが、極端な話、

「売掛と買掛で相殺が出来るんだから、もっと物をよこせ」

と言う取引先は、「不安定で根拠が無く、危険な相手」 と見る事も出来ます。


もし 「信用不安のある取引先」 とどうしても取引を継続せざるを得ない場合は、
実行出来る相手かどうかはまた別の話として、

・担保を取る
・取引条件を変える
・契約条件を厳しくする
・保証金を入れてもらう
etc・・・

等の 「法的な安全策」 を取っておく方が、確実で安心です。

売上高との絡みがあるのも解りますが、リスキーと思われる案件の時は、
責任も含めて、判断を上の人に任せちゃいましょう。(笑)



-------------

にほんブログ村」 ランキング参戦しております♪

↓ポチッとお願いします。

\?\᡼\? 1