あぁ、徒然なるままに

私の趣味や日々の出来事についてを、自分の独断と偏見による、やや倒錯した文章で徒然なるままに書き記すブログです。

取引先調査

会社で、新規に取引先の口座を開設する場合、事前に与信審査を行います。
ま、相手がどう言う会社か、事前に調べる訳ですね。


某有名調査機関で調査データを取り、そのデータに書かれている評点で
大まかな目安をつけるのですが、これが微妙な所がありまして。


評点が50点を境に、優良企業かどうかのボーダーを引きまして、
50点以上であればまず問題なしとみて、取引先絡みでの競合が無ければ
営業をかけて取引開始、口座開設となる訳ですが。


では、50点未満の場合はどうするかと言いますと。
D1(49~47点)、D2(46~44点)、D3(43~40点)、D4(39点以下)の4段階に分けられまして、
点数が悪くなるに従って倒産の可能性が高い、危険な相手先とみなされます。

私のいる会社では、D4に至っては最初から「問題外」とされ、口座開設のお話すらなくなります。

D1クラスでしたら、現在取引している所も結構ありまして、さして問題はないことが多いのですが、
まれに急激に業績が悪化して倒産した事例もあったりするので、油断はできません。
経営上、何か懸念材料を抱えている場合もあるので、評点だけではなく、
色々な判断材料も揃える必要が出て来ます。


そこで登場するのが「決算書」です。
いわゆる、年度ごとの「会社の成績表」ですね。

私のいる会社の業種の関係上、取引先は建設業を営んでいることが多いので、
北海道庁別館、石狩振興局建設指導課に行けば、建設業登録している会社の決算書が見られます。
コピーは不可ですが、書写はモーマンタイですので、必死になって書き写して来ます。


で、書き写す時にも、数字を見ながら色々と考える訳ですよ。

ここ5年間の売上内容の推移。
製造原価(特に外注費)の大きさ。
利益率の推移。
役員報酬と役員借入金の関係。
交際費の多さ。
短期・長期借入金の推移。
固定資産の変動。
流動資産固定負債のバランス。
負債と資本のバランス。


それら以外にも、

会社の遍歴。
代表者の遍歴。
役員構成と有資格者の有無。
関係会社の有無や所属団体。
取引銀行。

などなど。


それらを考え、分析しながら、書き写した決算書をエクセルの書式に清書し、
私なりの考察をつけて、調査要望のあった営業担当に渡すのですが・・・


先日も一件、決算書を作成しまして。
こんな考察をつけました。

流動資産(現預金等)も、固定負債(借入・借金)より大きいので、特に心配なし。」
「繰越欠損があり、税引前利益も変動があるが、会社も小規模なので、
 変動率が大きく見えるのは已む無し。」
「少なくともここ3年は黒字を維持しており、取引に特に心配は無いと見られる。」

「但し、代表者(社長)以外に有資格者がいないので、後継者問題の懸念はある。」


そんな決算書を営業担当に渡したのですが。
二週間ほど経って、その営業担当より話がありました。

担 「すいません、先日作ってもらった決算書の件ですが、話自体がなくなりました。」
私 「え、そりゃまた何で?」
担 「社長が亡くなったそうで、後継者もいなくて会社を清算するんだそうです。」

ありゃ~!

私の懸念していたことが的中。
こんなこともあるんですね。


最初の頃は、決算書も書き写すだけで精一杯でしたが、
数多く見てきたからか、大まかな状況と付帯情報も見えてくるようになりました。

ですが、意図的に数字を変えられた決算、いわゆる粉飾決算をした決算書までは、
どこをどう操作したのか、ま~だパッと見では判りません。
精進せにゃあなぁ・・・


よく上司から言われていました。

経理って、経営を理解すること」

確かにそうだと思います。

-------------

にほんブログ村」 ランキング参戦しております♪
↓ポチッとお願いします。
アート写真ブログランキング参加用リンク一覧
\?\᡼\? 2