あぁ、徒然なるままに

私の趣味や日々の出来事についてを、自分の独断と偏見による、やや倒錯した文章で徒然なるままに書き記すブログです。

ヒトガタの想い

仕事の帰りがけに、ちょいと職場近くのショッピングモールに寄りまして。
その中に骨董品屋があるんですが。

以前に幾度か覗いてみた事があるお店で、
たまに古いフィルムカメラとかが並んでいたりするんです。
ふと足を止めて、ちょいと入ってみました。


今回も、オリンパスPENとか、蛇腹のカメラとかが数台あって、
「おおっ、こ、これは・・・」と触ってみたりもしていました。
程度の良い物もあって、これは結構掘り出し物です。
・・・買いませんけどね。(笑)


流石に骨董品屋だけあって、カメラだけでなく、色々な物が
所狭しと並べられています。
本当にレトロな看板、黒電話、ゼンマイ時計、食器、カバン、
おもちゃ、ギター、古着、インテリア、etc・・・

独特の雰囲気なので、何だか撮り歩きたい衝動にかられてしまいますが。
写真やってる者の「性(サガ)」ですね~。(笑)


ただですね。
その独特の雰囲気と言う中にも、何と言うかこう「色々な感情」と言うか、
「マーブル調の空気」の中にいるような、ちょっと不思議な感覚に襲われました。
普段は、こんな感覚は余り無いんですが・・・

お店の中心部から奥の方が、何故かその「雰囲気」がより強く感じられました。

いつもは余り店の奥の方には行かないのですが、今回は珍しく、
一番奥まで行ってみました。
まるで「何か」に「呼ばれて」いるような気がして。

並べられている物で出来た細い通路を数歩踏み込むと・・・

「・・・!」

そこに「彼女」はいました。

膝までの紺のドレスに身を包んだ、大人びている整った顔立ちにストレートの髪の
12~3歳くらいの背丈の「人形」。

小さい子が御飯事の相手にしているような「お人形さん」ではなく、
明らかに「人を模した」モノ、「ヒトガタ」なんです。


「彼女」はうつむき加減で立ち、私と視線は交えませんでしたが、
その瞳にはまるで何かの「意思」が宿っているような・・・
そんな光を湛えていました。

「・・・うわ、『御魂』が入ってる・・・」

「彼女」を中心にして半径2m位に「黒い空気」が漂い、
そこだけが異質な空間と化してました。
周りに置いてある物と違い、圧倒的な存在感。


元の持ち主が、なぜ「彼女」を手放したか。
その理由は分かりませんが。

「御魂」が入ってしまうほど大事にされていたハズなのに、
それが今、ここにこうして「一人」でいる理由・・・
そんな「彼女」の「淋しさ」が語りかけて来るようです。

「ナゼワタシ、ココニイルノ?」

私を呼んでいたのは、「彼女」だったんですね。

ぞわっとする本能的な恐怖を感じ、「彼女」と眼を合わせないように
気をつけながら、妙に気になる「気配」を背にしつつ、お店を後に。
その後しばらく鳥肌が立ったままでした。


物には、持っていた人の「想い」が宿るのでしょう。
骨董品屋は、時として「異世界」への入口です。


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