以前、一眼を始めた人向けに「絞りと感度とシャッタースピード」を書きまして、
ありがとうございます♪
それで、図に乗ってと言う訳ではありませんが(笑)、
その記事内で書ききれなかった「露出補正」と「ホワイトバランス」について、
ちょこちょこっと書いてみようと思います。
先の記事は「まずは撮ってしまう事」を前提としましたが、
今回は、より好みに撮る為の「微調整」と思ってみて下さい。
①露出補正
カメラやフィルムのISO感度がいくらの時に、絞りをどれくらいにすると、
シャッタースピードがいくらになるかを計る「露出計」なるものがあります。
単独で買うと結構しますが、実はこれ、今のカメラには同じ機能が
もう内蔵されておりまして。
レンズから入ってくる光の量と絞りの設定からシャッタースピードが自動的に設定されたり、
逆に手振れしない範疇でISO感度を自動的に上げたりしてくれるのは、この「露出計」のおかげです。
では、「露出」とは何ぞや、と。
端的に言えば「どれだけの時間、光に晒すか」を、「露出」と言います。
その「露出」を意図的に調節する事で、シャッタースピードが僅かに変わり、
明るめや暗めに撮影する事を「露出補正」と言います。
「撮ってはみたけれど、何だか暗くどんよりと撮れてしまった」
「明暗差を強調したかったのに、何だか白っぽくのっぺりしてしまった」
皆さん、こんな経験はありませんでしょうか?
露出補正はこんな、
「もうちょっと明るくしたい」
「もうちょっと暗くしたい」
なんて時に設定します。
明るくしたい時はプラス補正、
暗くしたい時はマイナス補正です。
被写体や状況によっても適正な露出は大きく変わって来ますから、
一概にどれ位が正解とは言えませんが、
状況や被写体別の細かい補正量は、プロの方々の解説にお任せするとして。
大まかには、ポートレートで人を撮る時は顔色を良く、
料理等のテーブルフォトでは美味しく見せる為に、
プラス補正で明るめに撮るのがセオリーと言われています。
ちょっと試しに、桜の花を。
これの露出補正は、プラス1.5です。
一方で「明暗差を強調したい」時や、「シルエットで語らせたい」時は
マイナス補正でメリハリをつけると良いでしょう。
こちらも試しに、エアガンを撮ってみました。
グリップのエンブレムにピントを合わせ、
露出補正は、マイナス2.5です。
色んな意味で、両極端のサンプルで恐縮ですが。(苦笑)
適正な露出は、光の強さや向き、被写体や状況によっても
大きく変わって来るので、自分が頻繁に撮る被写体や状況の
2~3パターンだけをセオリーにして、後は感覚的で良いかも知れません。
少なくとも、私はそうしております。
何故そうするのか。
・・・憶えきれないからです。(笑)
フィルムの時は現像があがるまで、適正露出でちゃんと撮れていたかどうかが
全く判らず、その為の保険として、自分の決めた露出の前後一枚ずつを
連射で撮れる「AEB」と言う機能がありました。
デジタルの昨今は、撮った写真の出来上がりをその場で確認できるので、
自分の好みの露出を色々撮り試して、模索してみましょう。
撮り直しが出来るのも、デジタルの利点ですからね♪
②ホワイトバランス
通称「WB」と書かれている項目です。
光の波長には「成分」がありまして、それらは光源によっても大きく異なります。
晴れの日の野外、曇りの日、室内の蛍光灯、ロウソク、裸電球etc・・・
それぞれの光源が発する「光の成分」とカメラの設定が異なると、
赤味がかったり、青味がかったり、「白」が正確に表されない現象が起こります。
ホワイトバランスとは、そんな光の成分を分析し、
極力適正な「白」を再現して、色合いを修正する為の機能です。
この設定は、標準値ではオートにされていますので、
大体の場合は、これでOKです。
ただし。
これでは、「正確な色味に撮れる」だけ。
被写体や状況によっては、
「温かみ」を感じるように「暖色系」の色合いや、
「寒々しさ」を感じるように「寒色系」の色合いで
撮ってみたい事もあるかと思います。
そんな場合には、敢えて「正確な白」ではなく、わざとホワイトバランスを変えて
色合いを変えてみる事をオススメします。
「色合い」よりも「色温度」と言う表現がなされているカメラや本が殆どですが、
詳細はそちらにお任せするとして。
ちょっと試してみましょう。
暖色系では、こんな感じ。
屋内ですが、敢えて「晴天モード」で撮ってみました。
もう一方で、寒色系。
日中の屋外ですが、敢えて「蛍光灯モード」で撮ってみました。
このモードでは「青」が強調されます。
ここでオートで撮ってしまうと、「汚く濁った水底の色」が出てしまいます。(笑)
そこで、わざとホワイトバランスをずらして撮った事で、水面の青と揺らめきが出ました。
以前この方法で、この写真がフォトコンに入選しています。(ちょっと自慢)
どの状況下(光源)で、ホワイトバランスを何に設定するかで色合いは変わりますが、
細かい違いは写真誌や専門誌等を参考にして下さい。
ちなみにホワイトバランス問題は、デジタルのカメラでしか起きない現象です。
フィルムには、極力見たまま、撮ったままの発色に近づくように薬品が塗布されていますので、
この「露出補正」も「ホワイトバランス」も、撮影段階で知っていると知らないとでは、
写真の出来上がりが違って来ると思います。
今は撮った後に、いくらでもパソコンで加工出来る時代になりましたが、
最初にイメージを固めて撮った写真の方が現像や加工の手間は少ないですし、
自然さや綺麗さでも上です。
今回の「露出補正・ホワイトバランス」で、
どのカメラでも共通の基本は押さえました。
この5点が、少しでも意識出来れば、しめたもの。
意図したイメージに近い撮影への一助になれば幸いです♪
アイテムを使ったテクニックや構図等は、また別の機会に~♪
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